ストレスと自律神経、副腎ホルモンの関係について!(その1)
(厚生労働省より引用)
そもそもストレスとは何でしょうか?
ストレスという言葉は、元々は物理学で使われていて、「外からかかる力による物質の歪(ひず)み」のことを意味していました。医学の世界では、カナダのセリエ博士が1936年に“ストレス学説”を発表したことから、この言葉が使われ始めました。医学的には、外からの刺激に対する身体や心の反応のことを“ストレス反応”と呼び、その反応を生じさせる刺激(ストレスの原因)のことを“ストレッサー”と呼んでいます。一般に言うストレスはこの両方の意味を含んでいます。
人もその他の生物も、普段から温度、湿度、気圧、気象変化などの外的な要因や生活リズムの変化、感染、栄養不足などによる体調の変化などの内的な要因など、常にストレスがある状態で生きています。ストレスは、悪いものと考えられがちですが、様々なストレスに適応する力を持つことで健康を維持し、長い目でみると進化の源であり、適度なストレスは必要なものと考えられています。
ストレスで病気にならない身体の働きは?
適度なストレスが必要と言っても、ストレスをコントロール出来なければ健康を損なってしまいます。そのために、私たちの身体には、健康維持機能が働いています。身体の健康状態を維持する働きのことを、少し難しそうな言葉ですが「ホメオスタシス」(生体恒常性)と言います。
ストレスに適応するために、このホメオスタシスが働いて身体が病気にならないようにしています。ホメオスタシスの働きを支えているのが、自律神経や副腎ホルモン(広くはホルモン系全体)、さらに免疫システムです。(ここでは複雑になるので免疫の話は含めないことにします。)
副腎ホルモンは馴染みが薄いかもしれませんが、自律神経は皆さんもよく耳にしてご存知と思います。この両者が正常に働かないと、ホメオスタシスは破綻し、ストレスに適応できなくなり、健康から病的な状態に移行していくことになるわけです。
次回は、「自律神経」と馴染みの薄い「副腎ホルモン」について説明しますね。
院長 佐久間一穂
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