パニック障害は、突然激しい動悸や息苦しさ、めまい、発汗、死の恐怖などを伴う発作(パニック発作)が繰り返し起こる精神疾患です。初めての発作では、「このまま死んでしまうのではないか」と感じるほどの恐怖を覚えることもあり、救急搬送されるケースも少なくありません。
これらの発作は明確な理由や危険がないにもかかわらず突如として起こり、さらに「また起きるのでは」と強く不安になることで、生活の質(QOL)が大きく損なわれてしまいます。
以下は、自己チェックとして利用できる簡易的な質問項目です。
正式な診断には専門医の評価が必要です。
パニック障害セルフチェック | はい | いいえ |
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①突然、強烈な不安や恐怖に襲われることがある | ||
②発作時に心臓がドキドキし、息苦しさを感じる | ||
③発作がいつ起こるか分からず不安になる | ||
④発作が繰り返し起こる | ||
⑤発作後、「また起こるのでは」と過度に心配する | ||
⑥人混みや閉鎖空間を避けるようになった | ||
⑦発作を恐れて外出を控えることがある | ||
⑧医療機関で検査しても身体的異常が見つからない | ||
⑨「死ぬのでは」と思うほどの恐怖を感じたことがある | ||
⑩これらの症状により生活が制限されている |
これらの症状が10分以内に急激に高まり、30分~1時間程度でおさまるのが特徴です。
「またあの苦しい発作が起こるのでは」と常に不安を抱えるようになります。
外出や電車に乗るのを避けるなど、行動の制限が始まるきっかけになります。
発作が起きた場所や、逃げ場のない場所(電車、バス、エレベーター、混雑した場所など)を避けるようになります。
重症化すると、自宅から一歩も出られなくなることもあります。
パニック障害の原因は脳内の神経伝達物質のバランスの乱れにあると考えられています。
特に、セロトニンやノルアドレナリンの働きの異常が指摘されています。
また、以下の要因も関与していると考えられています:
診断は精神科・心療内科の医師によって行われます。具体的には以下のような基準が参考にされます:
当院では、薬物療法と心理療法やリラクゼーションなど総合的なアプローチを行っています。
「発作が起きる→怖い→避ける」という悪循環を断ち切るため、考え方の癖や行動パターンを修正していく心理療法です。再発予防にも効果的です。
適切な治療を受ければ、多くの方が日常生活を取り戻すことが可能です。早期発見・早期治療が非常に大切です。