統合失調症

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統合失調症とは?

精神的に複雑な葛藤が長期に継続したり、大きなストレスやショックが契機になって、精神状態が不安定になり、考えや気持ちがまとまらなくなる状態が続く病気で、その原因は脳神経伝達物質のバランスの乱れにあると考えられています。

 約100人に1人がかかると報告されており、決して特殊な病気ではありません。 思春期から40才くらいまでに発病しやすい傾向があります。

主な症状について

比較的多い症状・感覚

  • 他の人から害を加えられていると感じる。
  • 誰かに命令されていると感じる。
  • 悪口を言われていると感じる。
  • 自分の行動や考えが他人の声で聞こえてくる。
  • 盗聴、監視されていると感じる。
  • 誰かにうしろをつけられていると感じることがある。

     

 

妄想

現実的ではない、明らかに間違った考えや受け入れられない状況について、強い確信をもってしまうこと。

  • 「周りから嫌がらせをされる」
  • 「悪いうわさをされている」
  • 「仲間はずれにされている」
  • 「誰かが監視している」
  • 「自分の考えが外に漏れている」
  • 「誰かが監視している」
  • 「TVやラジオで自分のことが話題になってる」
  • 「自分の考えてることが世の中で起こってしまう」 など

 

幻覚

実際に起こってないことを現実的な感覚として知覚してしまうこと。

「幻聴」:周りに話している人がいないのに誰かの声が聞こえてくる、話かけられたり、 命令されたりする。不思議な音(壁や床を叩く音、機械の異常音など)や音楽が聞こえてくる。幻聴に反応して「ひとり言、ひとり笑い」をしてしまうこともよくあります。

「幻触」:その他に、実際に存在しないはずの物や人物が見える「幻視」/臭う「幻嗅」/感じる「幻触」などもあります。

 

自我障害

  • 「自分の身体が、自分とは別のものであると感じる」
  • 「自分を離れた所から見ている感じ」
  • 「誰かが自分を操っている」
  • 「自然にいろいろな考えが湧いてきてとまらない、集中できない」
  • 「自分のいる状況が、別の世界のように感じ生き生きと感じられない」
  • 「自分の周囲に膜があり外の世界と隔離されている感じ」 など

 

思考障害

  • 考えが混乱してしまい、考えがまとまらなくなってしまうこと。
  • 会話に脈絡がなく、会話にならなくなる。
  • ひどい場合には何を話してるのかがわからなくなることもある。

 

感情の平板化

  • 喜怒哀楽の表現が乏しくなるだけでなく、他者の感情表現に共感することも少なくなってしまうこと。

 

思考内容の貧困化

  • 会話の量・内容が乏しくなったり、会話が止まったり返答がおくれる。
  • 話の内容にまとまりがなくなる。

 

意欲減退

  • 意欲が乏しくなり、学業、仕事などが続かなくなる。
  • 終日ごろごろしてしまう。

 

注意・集中力の障害

  • 気が散りやすかったり、注意、集中が長続きしない。

     

閉じこもり

  • 周りの出来事に無関心で、活動性が低下する。

 

 

当院での治療方法

この病気の大きな原因は脳内神経伝達物質のバランスの異常にあり、それを正常化させるお薬の定期的内服が必要です。

最近では、副作用が少なくしかも効果に優れている薬がありますので安心して服用頂けます。
しかし、再発のリスクがあるため自己判断で中断することなく主治医と相談しながら、あせらず治療を継続することが必要です。
また、急性期には脳が外的刺激に敏感でストレスに弱くなっている状態なので、ゆっくりと心身の静養をとることも絶対に必要です。
また、状態が安定し回復期になったら徐々に精神的リハビリを行って、あせらずに社会復帰していくことが大切です。
また、症状回復期には、カウンセリングによる認知行動療法や社会機能回復リハビリを行い、社会復帰に向けて自信をつける治療を行っています。

 

※統合失調症は、一日も早く治療を開始したほうが病気の回復が早く、症状も軽くてすみます。
疑わしい症状があれば、病気や病院をおそれずに早めに専門医に相談しましょう。