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うつ病と腸の不調には関連性があるのか?脳腸相関について!

うつ状態の症状を、一般的な抗うつ薬や静養による治療をしても、ほとんど効果がない様な場合には、その他の問題が絡んでいることがあります。脳腸相関の影響もその一つです! 

 

近年、毎年のように腸や腸内細菌の重要性を示す研究報告がされています。消化吸収、デトックス、肥満、免疫力、アレルギー、美容などとの関連性ばかりでなく、脳神経への働きかけへの研究報告も認めるようになっています。

 

●腸内細菌や腸菅の脳機能への影響とは?

脳内の神経伝達物質のアドレナリンドーパミンは、意欲や気力、集中力が高めたりします。セロトニンという神経伝達物質は、情緒を安定させ「幸せホルモン」と呼ばれることが多いです。脳内のセロトニン分泌が減ってしまうことや、アドレナリンやドーパミンの分泌バランス崩れてしまうことが、うつ病や不安障害、パニック障害など精神疾患の原因となります。  最近の研究で、これらの脳内で分泌される神経伝達物質のほとんどは腸管内でも分泌されていることがわかってきました。ただし、腸管内で生成された神経伝達物質が、直接脳内に送達され脳機能に影響するかどうかはまだ十分にはわかっていません。

しかし、例えばセロトニンは、腸内の迷走神経を持続的に刺激することによって、脳内のセロトニンレベルに影響を与えていることが報告わかってきました。(迷走神経とは、脳と全身の臓器を直接繋いでいる自律神経の副交感神経です。)

また、セロトニンの前駆物質はトリプトファンというアミノ酸で、食事に含まれるタンパク質が腸管内で分解されてできます。腸管で吸収されたトリプトファンは、血液脳関門を通過することができるので、脳内に運ばれセロトニンになります。しかし、腸内悪性菌が増えると、腸内で炎症が起こりトリプトファンは別の代謝産物を作ることに使われてしまい減少してしまいます。その結果、脳でのセロトニン合成も減ることになることが分かっています。

その結果、精神機能に影響が生じます。セロトニン以外でも、腸内悪性細菌の菌毒素が脳内のドーパミンやアドレナリンの代謝異常を起し精神症状をきたすことも分かっています。

このように、腸内細菌や腸の状態は、直接的にも、間接的にも脳内活動に影響を与えることが解明されつつあります。

 

●腸内フローラや腸の働きの乱れは、うつ病やその他の精神疾患に影響している!

過敏性腸症候群や便通不良、慢性疲労状態(副腎疲労)の患者さんたちで、抑うつ状態や不安症状、知覚障害など伴うような場合に、診断と治療のために有機酸検査や総合便検査、遅延型フードアレルギー検査など腸内環境と神経伝達物質を調べる検査を行っていますが、真菌(カンジダ菌)や悪性菌が増殖し、リーキーガット症候群をきたしているケースでは、体内のセロトニンやドーパミン、アドレナリンなどの代謝産物の異常が必ず認められます。

前述した腸内細菌や腸管の脳神経伝達物質の関係性の報告から判断して、実際に腸内フローラや腸の状態が不良な状態では、精神障害を起していることが明らかだと言わざる得ないと考えます。また、腸の状態を改善する食事療法やプロバイオティクス、プレバイティクスなどにより、便や便通の状態が改善し、腸内環境が改善していくにつれ精神症状が回復することからも明らかと言えると思われます。

うつ病、過敏性腸症候群に限らず、自閉症スペクトラム、注意欠陥多動性障害、強迫性障害、双極性障害、統合失調症はどれも腸管免疫の過剰反応により、マイクロバイオータと腸、脳との情報伝達がうまくいかなくなったことが大きな発症要因になっているとの研究報告も増えています。

 

まとめ

腸内環境を整えておくことは、考えている以上に健康維持・増進に重要なファクターであると考えます。多少の事で、あなたの腸は何もクレームを言わないですが大切にしてください。

一日の食事が、すべてコンビニ弁当と話す過敏性腸症候群の患者さんが少なくありません。食生活の乱れ、偏食、糖質の取りすぎ、添加物まみれの加工食品、酸化した油まみれの総菜、清涼飲料水の取りすぎ、暴飲暴食、過剰なストレスにさらされた生活が続いているなど、

これらは腸内環境を増悪させる要因です。心当たりがある方で、便や便通の状態が悪い方は健康障害に要注意です。

お腹の具合が悪く、それ以外にも慢性の不調があり、精神的にも不調がある方は、検査や治療が必要です。我慢せずに、是非早目にご相談されることをお勧め致します。

 

ミチワクリニック

院長 佐久間一穂

michiwaclinic.jp

 

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