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睡眠障害③昼夜逆転の生活はどんな悪影響を及ぼす?改善のために意識すべきこと

夜遅くまで起きてしまい、翌日なかなか起床できず夕方頃に目を覚ます」というような乱れた生活のことを「昼夜逆転」と呼ぶことがあります。
夜中にゲームやSNSをするのは楽しいものですが、昼夜逆転の生活が続くと心身に悪影響が及ぶ可能性があるため、注意が必要です。
昼夜逆転の生活を改善するには、規則正しい生活が送れない原因などを把握し、早めに対策を行わなければなりません。

今回は、昼夜逆転することで生活に及ぼす悪影響や、昼夜逆転の生活になってしまう原因などを解説します。改善するための方法も紹介するので、昼夜逆転の生活を送っている方はぜひ参考にしてください。

 

●昼夜が逆転することで生活に及ぶ悪影響とは?

昼夜逆転の生活が続くと、身体面に不調が生じるだけでなく精神面にも悪影響が及ぶ可能性があります。
1)昼夜逆転による身体面への悪影響

昼夜が逆転すると日中にだるさが残り、仕事や趣味などのパフォーマンスが低下しやすくなります。
体の免疫機能も低下し、風邪を引きやすくなったり病気にかかりやすくなったりすることも懸念点です。
また、夜の時間帯に眠れていないと、寝ている間に活発になるはずのホルモンの働きが活性化しにくくなるため、肌などの見た目にも疲れが出てしまう可能性があります。

2)昼夜逆転によるメンタル面への悪影響

昼夜が逆転すると、活動的な「交感神経」とリラックス状態の「副交感神経」の切り替えが上手く行われず、自律神経が乱れやすくなります。自律神経が乱れると、イライラしたり気分が落ち込んだりするため注意が必要です。
また、体に倦怠感が残ることから、何事に対してもモチベーションを持ちづらくなり、やる気も出にくくなる傾向にあります。周囲との生活サイクルのギャップゆえに、孤立感も感じやすくなるでしょう。
モチベーションが保てず、日中のパフォーマンスが低下することで「何をやっても上手くいかない」と感じると、自信の喪失にも繋がります。

3)昼夜逆転の生活が病気に繋がる可能性

昼夜逆転の生活を続けていると、「概日リズム睡眠障害」という病気に繋がる可能性があります。
概日リズム睡眠障害とは、体内時計の周期を24時間に適切に同調させることができないために生じる睡眠障害です。
人間の体内時計の周期は約25時間といわれており、1日の周期である24時間よりも1時間ほど長くなっています。通常であれば、日常生活におけるさまざまな刺激によって体内時計は24時間に同調していき、周期のずれは自然と修正されます。
しかし、昼夜逆転の生活を行っていると、適切な刺激を受けることができずに概日リズム睡眠障害に陥り、眠気や頭痛・倦怠感といった身体的な不調を生じる可能性があります。
また、体内時計が乱れていると高血圧になりやすく、長く続くと心筋梗塞や生活習慣病のリスクも高まるとされています。

 

●昼夜逆転の生活を引き起こす原因

昼夜逆転の生活になる原因は人それぞれ異なりますが、主に以下が考えられます。

1)生活リズムの乱れ

SNSやゲームなどで夜更かしをして就寝時間が後ろにずれると、昼夜逆転の生活に陥りやすいです。
近年は、インターネット環境が急速に発展していることから、就寝前に布団のなかで長時間スマホを操作しているという方は多くいらっしゃるでしょう。
また、シフト制の仕事に就いており、就寝・起床時刻が定期的に変わる場合も、昼夜逆転の生活になりやすいといえます。
最近では、テレワークで出勤をしなくなった影響で仕事のオンオフの切り替えが上手くいかず、定時を過ぎても夜遅くまで働き続けてしまうケースも見られます。
仕事が終わらないと就寝が遅れ、生活リズムの乱れに繋がります。

2)ストレス

ストレスは、自律神経が乱れる原因の一つです。
仕事や家庭などにトラブルを抱えており、心身にストレスを受けてしまうと、睡眠の質が低下したりなかなか寝付けなくなったりする可能性があります。
また、ストレスの種である悩みについて布団のなかで考え始めると、不安が出てきて眠れなくなるケースもあるでしょう。寝付けないとコンディションが悪くなり、またストレスがたまるという悪循環に繋がることも考えられます。

3)環境の変化

就職や進学などによる環境の変化は、生活リズムに影響を与えやすい要素です。
新しい環境での緊張や不慣れなスケジュールにより、昼夜逆転に陥ってしまう可能性があります。
また、海外旅行による時差も体内時計に影響を与えるため、夜上手く眠れなくなり昼夜逆転してしまう原因に繋がる場合があります。

4)病気

起立性調節障害」や「睡眠相後退症候群」などの病気が原因で、昼夜逆転の生活になっている場合もあります。
起立性調節障害は、自律神経が上手く働かず、立ちくらみや頭痛などの身体症状が起こる病気です。症状の一つに起床困難があり、生活サイクルが乱れる要因になります。
睡眠相後退症候群は、なかなか寝つけない、起きるべき時間に起きられないという状態が慢性的に持続する病気で、思春期から青年期に多いと考えられています。
上述した症状に覚えがある場合は病気が原因で昼夜逆転になっている可能性もあるため、なるべく早く医療機関を受診しましょう。

5)精神疾患

身体的な病気だけでなく、精神疾患も昼夜が逆転する原因になる場合があります。
特にうつ病は、午前において「うつ症状」が強く、午後から夕方以降に症状が軽くなっていく傾向がある精神疾患です。
そのため、午前中は寝て昼から夕方頃に起きるといった昼夜逆転の状態になりやすいと考えられます。
精神疾患が原因の場合も、なるべく早く医療機関を受診して適切な診断を受けることをお勧めします。

 

(原文)

【医師監修】昼夜逆転の生活はどんな悪影響を及ぼす?改善のために意識すべきことを紹介|WENELL(ウィーネル)

https://nell.life/wenell/2199/

 

 

  ミチワクリニック 

  院長 佐久間一穂

  https://www.michiwaclinic.jp/

 

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