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原因のわからない不登校!! もしかして「副腎疲労症候群」かも? 

小・中・高校生の不登校の原因として、明らかな起立性調節障害(自律神経失調症)や脳貧血など体質的問題、「いじめや友人関係の悩み」「家庭内不和」「学校の校風が合わない」「勉強についていけない」などの精神的ストレスなどが背景にあることが多いと思います。

ところが、そのような明らかな理由がわからない不登校の子供たちが増えています。

 

<子供たちも副腎疲労症候群になるの?>

現代のストレス社会では、大人だけでなく子供たちも様々なストレスに曝されていて、大人以上にストレスに敏感に反応し慢性疲労症候群をきたします。以前のブログでも記載したように、ストレスの種類は受験勉強などの競争、時間に追われる生活、自然環境の少なさ、人間関係、運動過多(不足)、居場所の喪失などが浮かんできます。しかし、それ以外にも、

食品添加物、防腐剤、農薬、魚介類に含まれる水銀、遺伝子組み換え食品や生活用品に含まれる化学物質や薬品、環境ホルモンなどの蓄積も見えないストレス源です。

特に、食生活に注意が必要です。上記の添加物や防腐剤などの問題以外に、ケーキやお菓子類、菓子パン、甘い清涼飲料水などからの砂糖、果糖など糖質の摂り過ぎ、パンなど小麦製品やファーストフード(悪い油と野菜不足)への偏りなどが、血糖値の乱高下や腸内環境を悪化(腸漏れ症候群(詳細は👆)の原因)させて、身体や精神へのストレスや疾病を招いています。

幼少時から、アレルギー症状や喘息などでステロイドを頻繁に使用した経験や、鼻炎や中耳炎などで抗生物質を長期使用した経験がある子供さんたちは、腸内環境に問題があり副腎疲労症候群へ徐々に進むことが稀ならず認めます。

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そもそも副腎疲労症候群って何?という方も多いと思いますが、簡単に説明しますと心身にストレスがかかっていることを脳が感じると、副腎に刺激が送られ副腎ホルモンが体内に分泌されます。それにより全身の神経系、免疫系、ホルモン系などが反応しストレスに対応できるように態勢を取ります。そのため「副腎ホルモン」は「ストレスホルモン」とも呼ばれています。ところが、あまりにも強烈なストレスに曝されたり、長期の慢性的なストレスに曝され続けたりすると、副腎が疲弊し副腎ホルモンを十分に分泌出来なくなってしまいます。その結果、慢性疲労状態をはじめ様々な体調不良が生じることになり、その状態を副腎疲労症候群(詳細は👆)と言います。

 

<どのような症状が見られやすいか?>

(一般的な副腎疲労症候群の症状は、ホームページの副腎疲労外来(詳細は👆)を参照して頂き、ここでは子どもたちの副腎疲労の時に見られる症状や生活の様子などを記載します。)

本来、子供たちは成長期にあり、エネルギーにあふれているのが普通です。

何でも興味関心を示し、学校で友達と一緒にいることを楽しみにし、疲れても一晩眠れば翌日は疲労回復して元気に動き回ります。

ところが副腎疲労状態になると、疲れやすく、いくら寝ても朝に起きられなくなります。

不登校で家にいるとき、長時間寝て、昼頃からは動き始め、夜はいつものように元気さが出てきて、明日は学校に行ってみんなに合いたいと家族に話したりします。

でも、朝になると起きれない、頑張って起こしてもらい学校に行こうとすると、食欲がなく、吐き気や腹痛、便秘や下痢でトイレから出れない、頭痛、ふらつきなどの身体的症状が出てしまいます。それで、学校を休みますが、午後からは動けるようになり、ゲームなど自分な好きなことをして遊べます。友達が、帰りがけに遊びに来たりすると、遊んだりも出来ることがあります。

けれども、遊んだあとは急に疲れが出て、遊んだ物などを片付けられずに放置し、リビングや自分の部屋でゴロゴロしてしまいます。

症状が続くと、本当は学校に行きたいのに行けないことの葛藤が強まり、イライラして反抗的で怒りっぽくなったり、親の些細な言葉にも逆ギレしやすくなります。      

症状が強くなると、昼頃に起き出してきて学校に行かないにも関わらず、頭痛や吐き気、腹痛、下痢など症状がでて、偏った食事しか食べなくなったりします。

一日中、スマホでゲームや動画をみたりしてゴロゴロして活動量が少なくなります。

日中に活動がへり、夜になかなか眠れなくなり、睡眠リズムの乱れも伴ってきます。

さらに、朝は起きれなくなり、体力も低下してしまい、休んでいても元気が回復せず、学校に行けない日が長期化していきます。

 

ご両親から見ると、『学校や家庭内での問題はないように見えるのに、朝は好きなだけ寝ていて、昼過ぎから夜は元気に好きなことはできるのに、片付けはできない(嫌なことはしない)、些細なことで反抗的でイライラしやすい、食べ物も好き嫌いが多いなど、勉強が嫌で学校をサボっている、怠け癖がついてしまったのでは?』などと考えてしまいます。

『親が甘やかし過ぎたのかも?』などと考えてしまい、自責的になり、将来の心配も重なり、ご両親の方もうつ傾向や副腎疲労になってしまうこともあります。

また、スクールカウンセラーや病院へ行って相談すると、好きなことは熱中するが、片付けられない、切れやすい、食べ物も好き嫌いが激しいなどから、発達障害ではないかと疑われる事や、診断される事もありご家族がショックを受けることもあります。

 

<診断するための検査はあるの?>

副腎疲労症候群が疑われるときは、唾液で副腎ホルモンの日内変動を検査できます。

また、副腎疲労の原因を知る必要があるため、栄養状態や慢性炎症の有無を調べる血液検査、腸内環境を調べる検査や食物アレルギー(遅延型)検査を行います。さらに有害重金属や有害化学物質、マイコトキシン(菌毒素)などの蓄積の有無を調べる検査も状態や環境要因を把握しながら検査します。

 

<治療はどうしたら良いの?>

治療は、食生活に問題があれば食事の指導を行いますし、それに伴い腸の状態が悪ければ腸内細菌バランスの改善や腸炎(腸漏れ症候群を含め)を治療します。

 また、体内に有害化学物質や重金属、マイコトキシンなどが蓄積し、新陳代謝に障害を起こしている場合には、毒素が蓄積する経路はどこにあるのかを見つけ原因を遠ざけます。検査の結果や症状などから判断し必要性が高ければデトックスの治療を行います。

 

<学校へ登校するかどうかの判断はどうしたらよいのか?>

副腎疲労の時にはストレスを減らす、回避することが重要です。無理に学校へ通学することを勧めることは、副腎疲労を悪化させることになり、不登校期間がより伸びることになってしまいます。

治療の効果がでてくると、まず自宅での生活行動が変わってきます。

イライラして切れやすいのが無くなって、穏やかに話し合いができるようになったり、自分の素直な気持ちを話すようになります。遊んだあとの片付けも出来るようになります。子供さんも健康的な食事をすると体調が良くなるのをのがわかって、食事もバランス良く食べてくれるようになります。学校の勉強を始めるようにもなります。

そして疲労感や疲れやすさが減ってくると、徐々に日中起きていられる時間が長くなり、活動量が増えて睡眠の質や睡眠リズムも改善し、過剰な睡眠が改善し朝に起きられる様になってきます。

ここまでくると、学校に行きたい気持ちが高まり、自分から「学校に行こうかな」と話すようになりますので、その時が登校再開の時期です。

学校に再び行き始めても、まだ体力が十分にないので、帰宅すると寝てしまったり、朝に起きれず学校に行けない日もありますが、ここで無理をすると逆戻りしてしまうので、本人と話し合いながらゆっくりとしたペースで、時には休みを入れながら、「登校出来る日に行けば良い。」と見守ってください。

 

※回復された患者さんやご家族の声

・小学生のご家族から

「どこに相談して良いのかわからず、本当に困りました。一人で悪戦苦闘していましたが、今は一緒にサポートしてもらえて本当に助かってます。食事作りとかは大変でしたが、徐々に子供が元気にある姿を見ていて元気をもらえました。」

「父母会に行くと同じ様な子供さんがいる家庭が多いので、小学生も治療しているところがあると伝えたいと思います。ホームページにも記載して相談しやすくしてください。」(お母さんから) 

 ⇒(ご指摘があり、ホームページの記載を変更致しました。佐久間)

・中学生のご家族やご本人から

「親の育て方が悪かったと自分をせめて辛かったですが、原因や治療法がわかった時は本当に嬉しかったです。自分の副腎疲労も一緒に改善できて、親子で元気になり嘘みたいです。」(お母さんから)

「最初は、食事療法が辛かったけど段々と元気になって、甘いものやファーストフードが食べたいと思わなくなった。毎日友達に会えるし、ダンスの授業にも出れるようになって楽しいです。」(ご本人から)

・高校生のご家族やご本人から

「中学生の頃から、不登校を繰り返して、高校に入学しても疲れやすく、大学受験には間に合わないかと思っていたけど、元気なり試験にも合格できて嬉しいです。」(お母さんから)

「小学生のとき以来の気分、体調の良さがもどりびっくりです。大学に入学後も一人暮      らしだけど自炊して頑張ってます。」(ご本人から)

 

起立性調節障害 http://www.jisinsin.jp/detail/01-tanaka.htm

副腎疲労チェックリスト 

https://www.konishi-clinic.com/symptoms/adrenal-checklist.html

医者も知らないアドレナル・ファティーグ ジェームズ・L. ウィルソン (著)

 

院長 佐久間一穂

 

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